ロータリーポンプ は、現代の食品および飲料業界において非常に重要な装置です。粘度の低い液体から高粘度の液体まで、さまざまな原料の移送に対応できるため、食品・飲料の製造プロセスにおける中核的な機器となっています。

食品・飲料業界では、製品の安全性、品質保持、そして厳しい業界規格への準拠など、原料および製品の移送において高い要求が求められます。そのため、ロータリーポンプ の選定には慎重さが求められ、関連するすべての衛生・製造基準を満たす必要があります。

ロータリーポンプの動作原理と食品用途における種類

基本動作原理

メカニズム

ロータリーポンプ は、回転する部品（回転体）を使用して液体を吸引・吐出します。ローターが流体を捕らえ、一定量ずつ移動させることで、滑らかで連続的な流れを生み出します。ポンプ内部では、ローターの動きによって低圧から高圧へと圧力を変化させながら流体を送ります。

食品用途での利点

ロータリーポンプ は、製品へのダメージを抑えた優しい処理が可能であり、流量の正確な制御や、洗浄しやすい構造など、食品業界に最適な特長を備えています。衛生管理基準（HACCPなど）にも適合しやすい設計です。

代表的なロータリーポンプの種類

ロー ブポンプ (Lobe Pump)

ロー ブポンプ は、2つまたは複数のローターが互いに接触せずに回転するタイプのポンプで、果肉入りの液体やソース、乳製品などの移送に適しています。優れた固形物ハンドリング性能を持ち、製品の形状を壊さずに移送可能です。

ギアポンプ (Gear Pump)

ギアポンプ は、内部のギアが噛み合いながら回転することで、高圧かつ一定の流量を実現します。シロップやハチミツ、液状チョコレートなどの高粘度液体の移送に適しており、構造がシンプルで保守が容易です。

プログレッシブキャビティポンプ (Progressive Cavity Pump)

プログレッシブキャビティポンプ は、らせん状のローターがステーターの中で回転しながら流体を搬送する構造です。粘度の高低に関わらず安定した流量制御ができ、ヨーグルトやアイスクリームミックス、クリームなどの繊細な製品に最適です。

サーカムフェレンシャルピストンポンプ (Circumferential Piston Pump)

サーカムフェレンシャルピストンポンプ は、ピストンが円周方向に動く構造を持ち、高精度な容量制御と高粘度液の取り扱いに優れています。衛生性が重要視される医療用液体や高品質な乳製品の製造において特に活用されています。

適切なポンプの選定には、製品特性、衛生要件、製造工程上の制限など、複数の要素を考慮する必要があります。最適なポンプを選ぶことで、製造効率の向上と製品品質の安定を実現できます。